BtoBのSaaS事例取材のいろは 企画立案編
事例取材なんかやったことない、どうやんねん。
やったことあるけど、いまいちしっくりこない。
そんな方も多いんじゃないでしょうか。
ここでは私でまとめた方法論を書くのでご参考下さいませ。
まず一度もやったことない方は、問答無用でこの本を熟読して下さい。
社内の後輩に勧められましたが、本当におすすめです。
基本的には私はこの本の通りやってるだけっす。
かなり網羅されてるので是非一読を。
さて、まず事例取材を進める上でやることはなんでしょうか?
事例先のお客様候補を探す?台本を書く?担当営業に相談する?
どれも違います。まずやることは、「目的とコンセプトを決める」です。
みなさん、今回の事例の目的はなんでしょうか。
競合先の差別化を伝える、代理店営業からの導入メリットを伝える、製造業セミナーで使える事例に、総務部の事例を増やす、など様々かと思います。
色々あると思いますが、まずは一つ目的を決めましょう。
私の場合は、例えば下記のkintoneのイオンファンタジーさんの事例の目的は「代理店様からの導入メリットを伝える」としました。
そのあとはコンセプトです。
これはサイボウズのフレームですが、コンセプトとは、誰に何と言わすか、です。
例えば、「競合先の提案を受けて迷ってるお客様に」「この事例で違いが明確にわかりました。買います。」や「中小企業の総務部長に」「総務での導入イメージが湧きました。お試ししたいと思います。」といった感じです。
これを明確にしておくと、この後ぐっと楽になります。手戻りも減りますし、迷走したり、ボヤけたりすることはありません。
このコンセプトを達成するために動くだけです。
先ほどのイオンファンタジーさん事例の場合のコンセプトは「kintone検討中だが、代理店さんにどこまで支援を依頼するか悩んでいるお客様に」「独自導入だとやっぱり難しそうだな。とにかく最初は代理店さんにお願いしてみよう。」です。
企画立案編は以上です。
そんな時間ないよーって方は私にご依頼下さい。
SaaSの事例取材が外注しづらい4つの理由
今回は、SaaSを提供していて避けては通れない事例取材について書こうと思います。
SaaSマーケの皆さん、プロダクト責任者の皆さん、事例取材が大変過ぎて、外注したいが、いい人がいなくて外注できず、結局自社でやってるという方はいますか。
取材したけど実は記事にはできておらず、あっためてたりしないでしょうか。
私もサイボウズの東南アジア担当になり、営業時代にはやったことがなかった事例取材を敢行し、この仕事の楽しさと同時にタスクの重さを実感しました。
すぐに外注しようと思ったのですが、いざ探すと良さそうなところがなく結局自分でやることに。
なぜなのか。ちょっとまとめてみました。
1.そもそも外注費が高い
まずこれです。どこにお願いするかにもよりますが、相場で20万円〜50万円くらいでしょうか。
動画つきになるとさらなる金額感アップで目も当てられません。
これぞという事例ならまだしも、数を増やしたいフェーズだときついっすよね。
2.製品知識や業務知識が一定数いる
ヒアリングが上手な方、ステキな文章を書ける方が一見向いてそうですが、実はもっと必須なスキルがあります。
それは自社のプロダクトの知識、そして顧客側の業務知識です。
事例の目的は様々ですが、基本的には既存のお客様が新規のお客様に自社製品を進める、というものかと思います。
そうなると、この業種、この部門のこの業務は何で困っているのが最大公約数なのか、自社商材は他社に比べて何が優位なのか、を把握した上でのヒアリングが出来なければ話になりません。
クラウドで便利になりました、のようなありきたりな事例は価値がありません。
営業経験は
外注先に自社製品や業務のインプットをするなら自分でやっちゃうか、となる気持ちもわかります。
3.当日のアドリブ力がなんやかんや必要
開発の外注やクリエイティブの外注などに比べ、事例取材の外注は明確な指示を事前にすることが難しいです。
台本を用意して依頼したとしてもおそらくうまくいきません。
当日、事前に聞いてた活用用途と違ったり、話が思っていた話にはいかなかったり、話が止まらない人だったり、と当日のアドリブ力が求められるシーンが多い。
アドリブ力があるという外注先はどうやっても判断できないので、結局自分でやってしまう。
4.部分的な外注がしづらい
事例の企画部分だけお願いしようにも前述の知識の面でシビア、録音した音声の文字起こしだけ依頼しても意外に意味がなかったり、取材はこっちで外注先に記事化をお願いしても意図把握できず修正しまくって逆に工数かかったり、、、
外注するならまるっとお願いか、なしか、という判断になるため、外注が進まない要因かと思います。
できるのはクリエイティブぐらいっすかねぇ。
ざっとこんなところでしょうか。
私も外注先を探してたのですが、逆にこれ複業でやればニーズあるんじゃね?と思い複業作戦がスタートしました。
私は複業でやるので費用感がリーズナブル、サイボウズでkintoneを営業しているので業務知識が満遍なくある、営業視点がある、事例取材経験があるという感じでピッタリです。
興味ある方は、下記からお問い合わせかFacebookメッセでお気軽にお問い合わせくださいませ。
日々のルーチンで業務改善
パートナー営業は回りだすと、結構忙殺されて、クリエィティブな仕事に時間を割くことを忘れがちです。
流されると終わりなのでお気をつけを!
ここでは、パートナー営業ノウハウとしてはあまり関係ありませんが、過去にいろんな先輩から教えてもらった
ルーチン化したことでいまだに役立っていることが結構あるので、まとめてご紹介します。
1.毎朝、今日の自分のタスクを確認する
朝会社についたらいきなりタスクを処理したくなります。溜まっている通知やメールの確認と返信、商談の準備など。
ただそれをしちゃうと「いつかやろう」と思っていたタスクが一緒処理されません。
朝一5分だけでも、もしくは出社中の電車ででも見るとすっきり整理されます。
よくビジネス本とかにも書いていますが、意外によいルーチンかなと思っています。
2.定期的にパソコンの大掃除をする
これは意外に効果抜群です。元々パソコンのフォルダなどが汚いタイプだったのですが、
先輩から「定期的にPCの中を整理したほうがいいよ。」と言われて、やるようになりました。
よく部屋が汚いと心も乱れている、と言われますが、仕事も同じ。特にオフィスワーカーは
PCが部屋みたいなもんかと思います。
前のあのファイルどこにダウンロードしたっけ?わからないからまたあいつに言って送ってもらえばいっか。
みたいなことよくありませんか?そんな人にはおすすめです。
最初は月1回ぐらい、慣れてくると四半期に1回、今だと年1回ぐらいのルーチンでやってます。
何をするかというとざっくり下記です。
・フォルダの整理
・ブラウザブックマークの整理
・社内システムの整理
・PCを軽くする(ブラウザのクッキー削除、PCクリーンアップなど)
頭も整理されるので、おすすめです。
3.毎日、レポートラインの人のスケジュールを確認する
これも1年目に先輩に言われたことでいまだにやっています。
こう思うと1年目のときの先輩の言葉は偉大ですね。
会社によりますがサイボウズではスケジュールがフルオープンです。
なので私はレポートラインである、上司、チームメンバー、本部長、副社長、社長の予定を毎日見るようにしてます。
上司系の予定を見ると、相談するのに今日はいつがいいかというのもわかります。
また自己満ですが、なんとなく
今より上の上司からの視点もつくような気がします。
「こんな打ち合わせあるんだ。俺なら何発言するかなぁ」とか妄想したり。
メンバー予定もみることで、気になることあれば声掛けを自発的にできたりします。
ただあんまり見てるのバレると気持ち悪がられるのであくまで知らないふりでの声掛けをおすすめします笑
4.社内作業は時間を図る
私はずっと営業だったので、外出先での業務があっと的に多かったです。
逆に社内に終日という予定になるととたんに眠くなったりと生産性が下がります。
気持ちは入っているのに眠くなる、、、あの現象はなんなんでしょうかね。
そんなときは1タスク毎に想定時間を決めて、ストップウォッチで測ってました。
すると多少のハリはできるのでおすすめです。
でもふと思うと最近はやってません。理由は次です。
5.社内作業は外に出る
社内で集中できないときは外に出るのが渡しの場合は一番です。
もちろん公明正大にスケジュールにも登録して、チームメンバーにも
「集中できないので近くのカフェでやってきます」
と言って実施してます。
サボってるんじゃないか、と思われるリスクもありますが、そんなリスクにビビって生産性下がって成果が悪いと
本末転倒です。社風によると思いますが、いけそうならお薦めです。
6.定期的に個人業務効率化を図る時間を取る
PC掃除のときに一緒にやることが多いですが、個人業務効率化のみに特化した予定を定期的にぜひ。
ただし定期的に入れても、掃除と違って個人業務効率化なんていきなり思いつくはずはありません。
なので日々の業務の中で
「この作業無駄すぎる。。。ただ今日はこれでやるしかない。。」
「webの記事で読んだこのツール便利そうやなぁ」
とか気づいたことを日々どこかに溜め込んでおきます。
それを入れた予定に一気に片付けるといい感じで進みます。
私は例えば、PCを最新版に変える、ショートカットキー設定する、iPhoneで仕事できるようにする、クラウドサービスを利用できるようにする
PPTのテンプレートを設定する、などやったりしたことがあります。
7.速攻で断捨離
パソコンの大掃除に近いですが、デスクの大掃除も大事です。
これも別の先輩から「机汚すぎるやろ。机の乱れは心の乱れやで。」と言われてから改善しました。
ただパソコンと違って机の場合は、掃除したあとは、速攻で断捨離するようにしています。
大事そうな資料など「ロッカーに入れておこう」「机においてまた考えよう」ってよくなりませんか?
ただ結局年末の大掃除で捨てる羽目に。しかも大掃除のときに「懐かしい~」とかなって大掃除の邪魔にもなっちゃいます。
なので私は基本はもらったら速攻で捨てます笑。
ほんとに大事そうなやつはスキャンだけして捨てます。
でも基本はスキャンもなしに捨てます。もし本当に必要になったら、そのタイミングで資料請求しましょう。
ちなみに、同じ考え方で出張メンバーからもらうお土産も、食べ物だった場合はもらったその場で速攻食べます笑
これまたあとで食べようとおいておくとデスクが汚くなる原因になります。もらったらお昼前であろうとすぐ食べます。
そんな感じです。
どちらかというとイノベーションではなく改善アプローチですが、ルーチンや仕組み化の効果も結構大きいと思うのでぜひお試しを!
パートナーさまへの企画の通し方
パートナー様とは案件同行以外にもいろいろな企画をすすめることがあるかと思います。
最初からトップと合意できていたり、話が進めれていればいいのですが、こちらからプッシュで企画することもあるかと思います。
そんなときパートナーさまがかなり大手でかつ、企画提案先が窓口の方の場合、なかなか企画が通すのが難しいこともあるかと思います。
そんなときに、私が企画を通すためにやってきたことのひとつでおすすめがあります。
それは
過去に通ったパートナー様の社内稟議書をもらう
です。
直営業の大型案件の商談と似ているかもしれません。
もちろん皆さん、社内や自分の中で企画書テンプレート・提案書フォーマットたるものがあるかと思います。
がそれはあくまでこちら視点。
パートナー様が気にしているところとずれていると、手戻り発生してお互い損です。
そんなときは一言
「たたき台作りたいので、貴社の過去の企画書とか稟議書、もしくは雛形もらえないでしょうか。」
と1番最初の打ち合わせ段階で言っちゃいます。
そうすると、その資料からどういったことを気にしているのか、何を調べなきゃいけないのかなど詳細が見えてきます。
パートナーさんも追記したり、社内テンプレにコピペする必要もなく、メーカーが作成代行してくれるので助かります。
やったことない方がいればぜひお試しあれ。
セミナーの設計の仕方
パートナー様や代理店様と協業が進むと
「うちのイベントでセミナーしてくれませんか?」
というありがたい相談がくることもあると思います。
または逆にこちらから
「弊社とセミナーをして案件作りませんか?」
と提案することもあるかと思います。
特に前者では、
やります!
と勢いで答えたはいいものの何を話せばよいかわからなくなることが多分にあります。
ここではそんなセミナーの時に私が大切にしてることをつらつらと書いていきます。
基本はこちらの勉強会設計と同じです。
1.まずは基本情報を
勢いで承諾したが、日付しか聞いてない!ピンチ!そんな時は詳細今すぐに確認しましょう。
確認すべきことは
・日時
・尺
・場所
・形式(フェアのセミナーなのか、セミナーだけなのか)
・全体テーマ
・ターゲット企業
・集客人数
・他社のセミナーはあるか、その内容は?
・企画の目的と企画している部署や責任者
・配布物
・資料の〆切
・内容の要望あるか
そんなところでしょうか。
2.コンセプトと項目の決定
勉強会同様、資料作成でよくあるのが他人の資料の拝借や過去資料の再利用という発想です。
これをすると一番ダサい、長くて何を言ってるのかわからないというセミナーに陥りがちです。
資料作りに入る前に、まずは基本情報を踏まえた上で自分なりに
・目的
・コンセプト
誰に
何を
・どうやって
をノートやPCのテキストでまとめましょう。
下手したら電車の移動中のスマホでもまとめられちゃいます。
上記項目だと訳がわからないと思いますので、私が以前東南アジアでセミナー講師をした時にまとめた内容をお見せしますと
【目的】
日系企業の案件の創出
【コンセプト】
・誰に:多店舗展開しているお客様に
・何を: 「コンセプトと活用イメージが湧いた。今ある業務課題が解決するか終わったあと質問してみよう」と思ってもらう。
【どうやって】
・始まる前の動画 LAWSONさま事例を流す
・kintoneご存知ですか?概要とコンセプト
・デモ
・店舗の報告系
・活用シーン
・事例3つ
・Excel・紙 :LAWSONさま事例
・ローカルスタッフの見える化:BANDO様・プラッツ様事例
・モバイル活用:写真・申請・承認・報告
・よくある質問
・結局高いんでしょ?いきなり大きなお金はかけられない、いきなりやると現場が混乱する
・ローカルスタッフへの教育が不安、現場に浸透する?作るのは現場に任せたい
・最後は紙が必要、問い合わせフォームと連携できないか、
・お試しよろしく
・アンケート
・個別訪問の有無、お試しの有無、困っていること、所感
のような形でまとめました。
基本的には目的とコンセプトに合わせて、どうやっての部分を決め行く考え方です。
その中で他人のスライドや過去スライドを拝借するのは全く問題ありませんし、効率的です。
この順序、頭でわかっていても、いざ着手するとすぐスライド作成しがちなので大事です。
あとはこのどうやってに合わせてスライド作成など準備を進めるだけです。
3.パートナーさんを配慮する
コンテンツにパートナーさんを配慮するとより協業感が出てよいかと思います。
パートナーさんが注力している商材をちらっとスライドに入れたり、口頭で話すことにしたり。
またはパートナーさんから購入するメリットをコンテツに追加するイメージです。
4.本番までに必ず参加者リストをもらう
セミナーにおいて重要なのは、どの企業のどんな人が参加しているかを事前に把握することです。
もちろん当日より前に把握することが一番ですが、当日も諦めてはいけません。
受付の方にリストをちらっと見せてもらったり、それも叶わないのであれば30分前くらいに早めに会場入りして、早めに来たお客様となるべく名刺交換しましょう。
なぜそこまでするのか。
ここでは、事前に決めたコンセプト、特にターゲットを再設計するためです。
「えっ本番直前にせっかく決めたコンセプトを変更してよいの?」
そう思うかもしれませんが、全然okです。
むしろ一番痛いのは、コンセプトの誰にを設定したが、セミナーにはそれに当てはまる人が来ていないことです。
例えば、小売業をターゲットにしたのに、実際は小売業の人0人、そんな中で当初のコンセプトを優先してひたすら小売業あるあるを話すほど、ピエロなことはありません。
話し慣れていた内容としてもそれは価値0です。
とにかくリアルに来ているお客様で、どのお客様をターゲットにするか再度必ず設計してください。
スライドの変更はできなくても、ある程度話す内容でアジャストできるかと思います。
「こちらの事例は製造業ですが、小売業でも同じように●●な課題を持っていませんか?」
などのイメージです。
おそらくそうすることで大勢の前で話してテンパる方も、誰に対して呼びかければよいか明確になるので、少し落ち着くかもしれません。
以上が、私のセミナー設計で大事にしていることになります。